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2021/06/09 UT の木星画像




今期最初の木星画像の報告になります。

撮像開始時はシーイングの変動が激しく、良好な画像を取得するのが難しい状態でしたが、日の出前後の3セット目頃になるとかなり安定してきました。但し、PCのモニターでは確認出来ても肉眼では明るい青空に溶け込んで全く確認出来ない様な状態で、取得した画像の処理に苦労することになりました。他に気づいた事としてシャッタースピードの遅い近紫外画像は、いつもはカラ−画像より写りが良くないのに今回は割と写りが良いのは?です。今期の木星面の状況は、前シーズン終盤と比較して変化点が多いのに気が付きましたのでそこを中心にコメントします。


・STB(南温帯縞)領域にある永続白斑BAは、昨シーズンと比較し輝度が低下しくすんだ様な感じになっている(1セットのカラ−画像と近赤外画像参照)

・BAの上部のSSTB(南南温帯縞)には、高気圧性の小白斑AWOが確認出来、左から「A3」、「A4」、「A5」と呼ばれている(1セットのカラ−画像と近赤外画像参照)その他として2セットめと3セット目の画像には「A7」も確認出来る。いずれもメタンバンド画像で明るいメタンブライトな白斑で高層に位置している。

・BAの後方には、STB(南温帯縞)が45°程度の長さで形成されており、昨シーズンより成長している様である。このSTBの終端(左端)に明るいメタンブライトな白斑が確認出来る。またBAの前方にも白斑が確認出来るが、これは昨シーズンはSTBの断片(セグメント)でDS6と呼ばれていたものが、核をもつリング白斑に変化したものらしい。

・STBの下方に、STrB(南温帯紐)と呼ばれる細いバンドが走っている。これは木星が観測できないの合の間に、GRS(大赤斑)の後部で準循環気流が形成され、GRSの前方に発達したものと推測されている。

・SEB(南赤道縞)は、昨シーズンと同様に下側の北組織が淡化している。メタンバンド画像では、南組織と同様の濃さなので、低層領域で雲が発生していると判断出来る。また中央組織の紐状のバンドは1セット目の左半分を除き確認出来るので、SEBは3本のバンド(紐)で形成されている様に見える。

・EZ(赤道帯)の上部の南組織は、着色が無くなり、従来の明るいゾーン状態に戻った。下部の北組織は、赤茶けた着色状態のままで昨シーズンより色合いが増している感じである。この北組織は近紫外画像では暗く、メタンバンド画像でも暗い。昨シーズンまでのメタンハンド画像では明るい状態だったので雲の高度に変化(低くなった?)があったのか?(着色はあるので雲の上の着色物質の霞の厚さは大きく変わっていないはず?)またこの領域のフェストーン(青黒いヒゲ状の模様)の活動も確認出来るが昨シーズンよりはおとなしい様な感じがする。3セット目のカラ−画像で、中央の2つのフェストーンの間に白斑状のものが確認出来る。

・NEB(北赤道縞)には、大きな変化が見られる。昨シーズンまでは、木星面で最も太く濃く活動的な縞模様であったが、今シーズンは静的な状態で、北組織側(下方側)は淡化している。1セット目の領域よりも3セット目の領域がその傾向が顕著である。従来あまり確認できなかった赤茶色のバージ(Barge:先が尖ったはしけの様な暗班)が北組織側に散見される。

・昨シーズン発生したNTBs jetstream outbreak(攪乱現象の一種)によって復活したNTB(北温帯縞)は、本来の縞模様らしくなった。オレンジ系の南組織と灰色系の北組織で構成されている。2セット目の画像の北組織の中央付近にあまり例のない白斑状のものが確認出来るがメタンブライトな白斑ではない。

・NNTB(北北温帯縞)は、ほとんど確認出来ない。北極地方には、複数の渦巻き状の模様が多数存在しているのが近赤外画像から確認出来る。2セット目の近赤外画像の中央にある小白斑はメタンブライトな白斑で上層部に存在するものである。

画像をクリック、再クリックするとフルサイズ画像になります。  (2020/10/15)

2021/06/09 UT の木星画像・・・・・・・・・・撮影/菅野清一 氏 (山形県上山市)




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