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2022/08/10 UT の木星画像-2




 8月の入ってから天候に恵まれず、今月最初の報告になります。今回も空の状況は良くなく、雲(濃い雲と淡い雲のセット)が絶え間なく流れ、晴れ間を探しながらの撮像になりました。そのため近紫外線画像とメタンバンド画像は最初から諦めました。
 雲の影響で、1セット目のカラ―画像と近赤外線画像の時間間隔が大きく離れています。1セット目終了後あたりからシーイングの方も悪化傾向が見え始め、カラ―画像の2セット目の途中で全天が雲に覆われ、その後晴れ間は全く現れず撮像終了になってしまいました。その結果、取得ショット数が少なくなり2セット目のカラー画像は粗い画像になっています。
 今回の木星面は、前回報告(7月30日)のGRS(大赤斑)が見えていた領域の反対側の経度領域になります。今回のベストショットは、1セット目のカラー画像と近赤外線画像です。
今回の取得画像で気が付いた点を以下にコメントします。

・SSTB領域に見える高気圧性小白斑(AWO)は、1セット目のカラ―画像の向かって左端のものが「A5」、中央のものが「A7」、2セット目のカラ−画像の中央に見えるのが「A8」と呼ばれているものである。

・STB領域には、STBの北組織の暗斑が連なっており、1セット目のカラ−画像の右端に「WS6」と呼ばれる白斑が確認出来る。近赤外線画像では、ほぼ中央まで移動している。また近赤外線画像では長命な白斑である永続白斑BAも右端側から現れている。2セット目のカラ−画像でも確認出来る。

・STBの下方のSEBの南組織の上側には暗雲状のものが群れを成しており今期の特徴的な現象になっている。 尚、GRSの前方に発生した準循環流は、成長して永続白斑BAの下方の領域まで届いている。この経度領域のSEBには中央組織が確認出来る。

・EZ領域には複数のフェスト−ン(青黒いヒゲ状の模様)が確認出来る。

・前回コメントしたNEBの南組織側から北組織(下方)に向かって伸びるループ状の模様がこの経度領域でも複数確認出来る。

・今期の木星は、全体的に上方(南側)の活動が活発で、下方(北)側はおとなしい状態が続いている。
画像はフルサイズです。  (2022/08/12)

2022/08/10 UT の木星画像-2・・・・・・・・・・撮影/菅野清一 氏 (山形県上山市)




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