HOME← 2022/08/28 UT の木星画像


2022/08/28 UT の木星画像




 この日は午前中まで雨天で、夕方から晴れ間が現れ貴重な撮像機会なので撮像を試みましたが、肝心の気流の方はなかなか安定せず根競べになりました。
また、雨が降った後なので湿度が高く、夜間の気温低下(終了時の観測室内温度14℃で防寒具着用が必要でした)に伴い結露し、鏡筒や観測ドームはビショビショ状態で水滴が垂れていました。
 今回の木星面は、GRS(大赤斑点)の前後領域になります。今回の報告領域より前方にある永続白斑BAが見える時間帯から撮像を開始したのですが、気流状態が悪すぎてボツにしました。
今回のベストショットは、2セット目の「カラ−画像」と「近赤外線画像」、3セット目の「近赤外線画像」です。今回取得した画像から気が付いた点を以下にコメントします。

・GRSの斜め上の前方に白斑が2個確認出来るが、上側(SSTB領域)のものが高気圧性小白斑「A1」で、下方のものは「STZ  AWO」と呼ばれており、下方の方が輝度が高いようである。

・「STZ  AWO」の前方にSTBの南組織がしっかりした濃い紐状の帯縞模様を形成している。「STZ  AWO」の後方のSTBの南組織はやや濃さが薄目である。南組織の下方に確認出来る北組織は、小暗斑がまばらに点在している状態である。

・GRSはしっかりした赤味を維持している。GRSの周りを回ってその前方に形成された「準循環流」は、濃い紐状の帯縞模様として成長している

・1セット目の「カラ−画像」のSEBの左端側の輝点と1セット目の「近赤外線画像」の左辺の輝点は、衛星イオの本体である。(複数の画像を重ね合わせた画像なので衛星の軌跡として表現されている) GRSの後方のSEBの攪乱領域である「Post-GRS disturbance」は、気流が渦巻く様子や白斑が確認出来、この領域の活動が活発な事がうかがえる。

・EZ領域には大きなフェスト−ン(青黒いヒゲ状の模様)が複数確認出来、この領域も活動が活発である事が判る。

・NEBは、GRSの前後の経度領域でその縞幅が大きく異なり、前方領域に拡幅化の傾向を感じる。

・NEB以北(下方)の領域は、活動的でない状態が続いている。
画像をクリック、再クリックするとフルサイズ画像になります。ブラウザの戻るボタンで戻れます。  (2022/09/02)

2022/08/28 UT の木星画像・・・・・・・・・・撮影/菅野清一 氏 (山形県上山市)




HOME
← 2022/08/28 UT の木星画像


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ Copyright (C) 2017 Seiyukai. All Rights Reserved. ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

星空同人・星遊会