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2022/09/21 UT の木星画像




 高層気流情報から好シーイングは期待できない状況でしたが、台風通過後の貴重な晴れ間でしたので夕方から鏡筒や観測ドームの換気を行い、撮像を試みました。
 21時頃から開始し様子を見ていましたが、予想通り気流は安定せず待機状態が続きましたが、22時過ぎあたりから時より木星面の模様が確認出来る様になり、22時半の少し前から撮像してみました。時より大きくシーイングが崩れるときもあり、1セット目のカラ−画像と近赤外線画像との時間が大きく離れてしまいました。その後、雲の発生やシーイングの変化の為、2セット目との間が2時間以上離れる結果になり、淡い雲に邪魔されながらも何とか撮像を続けましたが最後は近紫外線画像の撮像中に全天が厚い雲に覆われ強制終了になってしまいました。この時のドーム内気温は9℃と冷え込み、結露のため鏡筒や観測ドームはビショビショでした。
 今回の木星面は、前回(9月14日)取得出来なかった「永続白斑BA」が見える領域と前回と同じGRS(大赤斑)が見える領域になります。今回のベストショットは1セット目の「近赤外線画像」です。以下に気が付いた点を以下にコメントします。

・1セット目のカラー画像に「永続白斑BA」が確認出来るが、相変わらず縁取りのあるあまり輝度がないくすんだ白斑のままであった。

・1セット目の各画像のSSTB領域に、高気圧性白斑(AWO)の「A1」が確認出来るが、その右斜め下方のSTBの上に「A1」よりも輝度の高い小白斑が確認出来る。特に「近紫外線画像」で明るいので青色成分が含まれている可能性がある。また「メタンバント画像」ではそれほど目立たないので「A1」よりは低い高度に位置する可能性が高い。(ただしAWOの様に暗い縁取りがないので判りにくいだけなのか?)

・1セット目の「カラー画像」からGRSの前方に発達した「準循環流」は、「永続白斑BA」より前方まで延びている事が判る。また「永続白斑BA」より少し後方の「準循環流」とSEBの南組織の間に小白斑が確認出来る。

・1セット目の「カラー画像」と「近赤外線画像」からSEBの中央組織がGRSから離れるにつれて下降し、SEBの北組織と融合している様に見える。

・2セット目の「カラー画像」と「近赤外線画像」からSEBの南組織がGRSの下方で途切れている様な感じに見える。この状態は9月14日にも確認出来た。 「準循環流」への影響は? (7月30日の画像でもSEBの南組織がGRSの下方で途切れている様な感じに見える事をコメントしたがこの時はその後復活している)

・今回のEZ領域のフェストーン(青黒いヒゲ状の模様)はあまり活発でない様である。2セット目の「カラ−画像」と「近赤外線画像」に、これまで何度かコメントしたフェストーンの根本の青黒い模様が確認出来るが、この青黒い模様はかなり小さくなり減衰してきた様に見える。

・1セット目の各画像の「A1」より少し前方の経度のNEBとNTBの間のNEBの窪地の箇所に、北半球で長命な白斑である「WSZ」が確認出来る。「メタンバント画像」では明るく見え高層領域に存在している事が判る。

画像をクリック、再クリックするとフルサイズ画像になります。ブラウザの戻るボタンで戻れます。  (2022/09/24)

2022/09/21 UT の木星画像・・・・・・・・・・撮影/菅野清一 氏 (山形県上山市)




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