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2022/09/29 UT の木星画像




 今回も撮影開始時は気流状態は安定せず40分程様子を見ていましたが、大赤斑が見えてきたので気流状態はまだそれ程良くありませんでしたが撮像を開始しました。
 1セット目のカラー画像の撮像後、気流状態が再び激しく悪化し、再び40分程待機する事になってしまいました。その後も気流の変動は何度かありましたが、それなりの状態を維持してくれたので今期初めて4セット分の画像を取得する事が出来ました。また今期初めて雲の邪魔が入らず長時間の撮像を楽しむ事が出来ました。

 今回の木星面は、GRS(大赤斑)の前後の領域で、準循環流(STrB)の先端部まで確認する事が出来ました。
今回のベストショットは、4セット目の「カラー画像」と3セット目/4セット目の「近赤外線画像」です。取得した画像から気が付いた点を以下にコメントします。

・準循環流(STrB)の先端部は、体系U140度付近まで前進し、7月初めの発生から約3ケ月の間に木星面の2/3近くまで発達した事になる。(4セット目の各画像参照、近赤外線画像における「STrB」がほぼ南中に位置している)

・1セット目のカラ−画像でSEBの向かって左端側に見える白線状と暗線状の模様は、衛星イオの本体と影である。

・前回GRS(大赤斑)の下方のSEBの南組織が途切れている様に見えるとコメントしたが、まだ途切れておらず(暗い気流が見えないだけ)準循環流(STrB)への供給は継続している様である。(1セット目と2セットめの各画像参照)

・GRSの後方領域のSTBの北組織の小暗斑群はGRSに接近してしており、準循環流(STrB)に吸収されるのか、又はSEBの南組織に吸収されるのか興味深い。位置的には前者の可能性が高い様に思う。(1セット目と2セット目の各画像参照)

・ここ数年SEBの上側の南組織の活動に比べ、中央組織や下側の北組織の活動は低調で淡化している箇所が目立っていた。今シーズンはこの中央組織と北組織が活動的であり、SEB自体が太い縞模様らしくなっている。特にGRSの後方領域が顕著であると感じる。(全画像参照)

・EZ(赤道帯)領域のフェストーン(青黒いヒゲ状の模様)が活発である。NEB側だけでなく、SEB側にも逆フェストーン状のものが確認出来る。(3セット目と4セット目のカラー画像と近赤外線画像参照)

・NEBの上側の南組織の中に複数の明るい小白斑が確認出来る。特に4セット目「のカラ−画像」と「近赤外線画像」が判り易い。「メタンバンド画像」でも明るい事から上層のある事が判り、この領域の活動が活発である事が窺える。この領域のNEBの幅も拡大している。

画像をクリック、再クリックするとフルサイズ画像になります。ブラウザの戻るボタンで戻れます。  (2022/10/04)

2022/09/29 UT の木星画像・・・・・・・・・・撮影/菅野清一 氏 (山形県上山市)




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