高層気流情報が良好なので前日に引き続き撮像してみましたが、今回も気流の変動が激しい為(中層および下層が良くないのか?)撮像に苦労し、その結果1セット目と2セット目の時間が大きく離れる事になってしまいました。今回の木星面は前日の後方領域(GRSの後方領域)になります。今回のベストショットは各セットの「近赤外線画像」です。以下に気が付いた点を以下にコメントします。
・昨日、「準循環流STrB」が「GRS」のすぐ後方まで前進している旨のコメントしたが、今回の1ショット目の「カラ−画像」と「近赤外線画像」から再確認した。「準循環流STrB」は非常に色が濃い。また「GRS」の後方の「準循環流STrB」を形成している鈎状の暗柱(hook)の存在は、やはり明確で無い。(喪失したとすれば、気流の供給が途絶えるので今後STrBは次第に淡化していくと予想出来る)
・GRSの後方領域であるSEBの「Post-GRS
disturbance」の活動は、活発で複数の明るい小白斑が確認出来る。また、10月26日の報告でコメントしたSEBの中央組織と北組織の間の体系U120度付近に発生していた「明部」は、体系U75度付近まで前進している。また明部の横幅は、約40度から約55度と4割程度拡大しているようだ。
・昨日の報告で,「GRS」の前方領域のNEBの縞模様の幅が通常程度まで太くなった旨のコメントをしたが、「GRS」の後方領域ではまだそこまで回復しておらず明らかに差がある。(1セット目のカラー画像でその差が明確である)
・昨日コメントしたNNTB領域の小暗斑群は、2セット目の経度領域には存在していないようだ。
・NNTBの下方の体系U70度付近に確認出来る小白斑は、「NN-WS6」と呼ばれるもので「メタンバント画像」で明るく高層領域に存在している事が判る。(1セット目の各画像参照)