今回の木星面は前回報告(7月29日)の領域(大赤斑の前後)の反対側付近の領域になります。 今回は1セット目の「近紫外線画像」は撮像時にシーイングが悪すぎてボツにしましたが、それ以外は比較的落ち着いた状態で撮像出来ました。尚、3セット目のメタンバンド画像は空が明るくなりすぎて撮像を断念しました。
以下に気が付いた点を以下にコメントします。
・1セット目と2セット目の木星の向かって左上部の輝線状のものは、衛星ガニメデの移動軌跡である。これまでにも何度かコメントしているが複数(今回は8ショット)の画像を自転補正ソフト(WinJOPOS)でコンポジット(Derotation処理)した為に発生してしまうものである。
・これまでも、SSTBの領域の高層に位置する小白斑AWOについてコメントしたが、今回の2セット目の「カラ−画像」に2個のAWOが確認出来、向かって左側が「A7」、右側が「A8」と呼ばれているものである。
・同じ2セット目の「カラ−画像」のAWO「A8」の上方の南極地方に赤味をおびた小白斑が確認出来、「メタンバンド画像」でも明るい事から高層に位置するものであることが判る。
・STBは1セット目の「カラ−画像」の左側では、上側の南組織が濃い紐状の細いベルトだが、右側や下方の北組織は点状や淡化状態である。
・SEBは1セット目の「カラ−画像」を見ると、上側の南組織は暗い雲が繋がっている感じである。中央組織は赤味を帯びた紐状でそれが2セット目/3セット目の「カラ−画像」では次第に右側に進むにつれ上方の南組織側に移動し、南組織と一体化している。下部の北組織は1セット目では明るいが経度が進むにつれて暗化しており、1セット目と3セット目では様相が大きく異なる。
・中央領域であるEZ領域には、フェストーン(青黒いヒゲ状の模様)が複数確認出来る。特に1セット目の「カラ−画像」のフェストーンが大きい。前回(7月29日)もコメントした輝度の高い微小白斑がこのフェストーンの根本にも確認出来る。
・これまでの報告でも何度かNEBの縞模様の太さが太く復活している旨をコメントしているが、今回確認している領域の太さは目立つ。2セット目の「カラ−画像」で、AWO「A8」の下方のNEBの北縁に確認出来る白斑は、長命な白斑で「WSZ」と呼ばれているものである。(近紫外線画像でもこの白斑が確認し易い)
・今回の領域でもNTBは淡化しているが、その下方のNNTBは1セット目の「カラ−画像」を見ると右側領域に小暗斑列が確認出来、3セット目の「カラ−画像」では右側に紐状の細いベルトが確認出来る。