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2023/10/30 UT の木星画像




 今回は大赤斑が見える領域なので張り切って撮像を開始しましたが、シーイングが悪すぎてなかなか撮像を開始できませんでした。
時間経過と共にGRS(大赤斑)が隠れてしまいそうになり、「数打てば当たる」方式での撮像を開始し、1セット目のメタンバント画像の撮像あたりからシーイングが安定し始めました。
1セット目の撮像でPCのメモリを大量に消費した影響で、今回は3セット目のカラ−画像の撮像で終了になってしまいました。 月明かりの影響ためなのかメタンバンド画像のバックが明るくなってしまいました。
 今回の報告領域は「GRS」とその後方になります。以下に気が付いた点を以下にコメントします。

・1セット目の「カラー画像」のGRSの上方のSSTBに見える小白斑はAWO(高気圧性白斑)で「A4」と呼ばれているもので、その後方に「A5」が確認出来る。「A5」には暗い縁取り無い為、確認し難いが「メタンバン画像では明瞭である。更にその後方に「A7」と「A8」が存在している。(2セット目と3セット目の各画像参照)

・GRSの上方の、STBの領域に「永続白斑BA」が存在しているのだが暗い縁取りがないためカラー画像では確認し難い。その隣の「近赤外線画像」では、先にコメントした「A4]と「BA」と「GRS」が三段重ねの様になっている様子が判る。

・GRSは芯のある赤味が存在感を示している。

・GRSの後方のSEBの攪乱領域である「Post-GRS disterbance」の活動は活発で、大きな白斑が2個確認出来る。またその後方のSEB領域も活動的である。体系U155°付近の上部の南組織に切れ目の様な感じに見える明部が確認出来る(2セット目の近紫外線画像が判り易い)

・今回の領域のEZのフェストーンの活動は少しおとなしい感じである。前回(10月26日)もコメントした「Plume」と呼ばれている輝度の高い微小白斑は、今回の領域ではフェストーンの根本付近だけでなくNEB内部にも確認出来る。また今回の領域のNEBには「リフト:Rift」と呼ばれている斜めの明るい裂け目も複数確認出来る。

・NEBの北端側(下方)には、前回コメントした長命な白斑である「WSZ」のほかに複数の白斑が存在しており、今回の領域では3個確認出来る(2セット目の近紫外線画像が判り易い)

・今回の領域でも消失(明化)しているNTB、NNTBは、その淡い痕跡が判る程度である。

・北極地方(NNTBの下方)の体系U135°付近に確認出来る小白斑は、「NN-WS4」と呼ばれているもので、2セット目の各画像で確認出来る。これもメタンバンド画像で明るく、SSTBのAWO(高気圧性白斑)と同様に高層に存在しているものである。

画像をクリック、再クリックするとフルサイズ画像になります。ブラウザの戻るボタンで戻れます。  (2023/11/03)

2023/10/30 UT の木星画像・・・・・・・・・・撮影/菅野清一 氏 (山形県上山市)



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