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2023/11/15 UT の木星画像




 天候とシーイングに恵まれず、11月に入って最初の報告になります。
 この日のシーイングは、この時期にしては珍しいほど良好で、時間経過と共に改善していきましたが、3セット目のメタンバンド画像の撮像を開始した途端に赤道義の動作異常が発生し以後の撮像が出来なくなってしまいました。シーイングが良かっただけに非常に残念な状態になってしまいました。 得られた画像について以下にコメントします。

1セット目の「カラ−画像」の上側(南極地方)に赤味を帯びた白斑が確認出来る。

・その下方のSSTB領域に確認出来る小白斑はAWO(高気圧性白斑)で左端側に「A1」が確認出来、右端側に「A2」と「A3」と呼ばれているものが確認出来る。2セット目の「カラ−画像」では、「A2」と「A3」と「A4」が肩を並べ、3セット目の「カラ−画像」ではその後方に「A5」が確認出来る。「A5」には暗い縁取り無い為、確認し難いが「近紫外線画像」ではその存在が明瞭である

STB領域の「永続白斑BA」は、今期途中から暗い縁取りが無くなった為にその存在が判り難くなっていたが、今回の画像では、一回り外側に暗い縁取りが形成され確認し易くなった。中央に赤味を帯びた楕円が確認出来る。(「近紫外線画像」ではその存在が明瞭である)

・3セット目の「近赤外線画像」の大赤斑「GRS」を見るとその内部に模様の濃淡がある様子が判る。

・大赤斑「GRS」の後方のSEBの攪乱領域である「Post-GRS disterbance」の活動は活発で、輝度の高い微小白斑が複数確認出来る。また、GRSの前方のSEBは盛り上がった箇所(縁取りがある白斑?)や、その下部に明部領域などが確認出来る。

・今回の領域のEZのフェストーン(青黒いヒゲ状の模様)の活動はGRSの下方領域以外は少しおとなしい感じである。過去にコメントした「Plume」と呼ばれている輝度の高い微小白斑は、GRSの下方領域とその後方領域に確認出来る。また今回の領域のNEBには「リフト:Rift」と呼ばれている斜めの明るい裂け目や明部も複数確認出来る。

NTBは、細く淡い縞模様として確認出来る。

・3セット目の「カラ−画像」でGRSの下方のやや前方の北極地方(NNTBの下方)に確認出来る赤味が強い小白斑は、「NN-LRST」と呼ばれているもので、2セット目の「メタンバンド画像」で明るく、SSTBAWO(高気圧性白斑)と同様に高層に存在しているものである事が判る。

画像をクリック、再クリックするとフルサイズ画像になります。ブラウザの戻るボタンで戻れます。  (2023/11/21)

2023/11/15 UT の木星画像・・・・・・・・・・撮影/菅野清一 氏 (山形県上山市)



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